発見されてから1300年の歴史を持つ、温泉津温泉。源泉に手を加えていない生の温泉は、薬効の高さがその魅力です。
さらに、温泉地としては全国初の国の重要伝統的建築物群として町並みを保存されています。
温泉津温泉街には、元湯と薬師湯の二ヶ所の外湯(日帰り入浴施設)があります。
元湯(湯治の湯 泉薬湯)は、狸が湯につかって傷口を治していたといういわれがある、由緒ある温泉です。
いっぽう、薬師湯は、日本温泉協会の審査で全項目最高評価のオール5を取る最高級の天然温泉です。
また、薬師湯の建物に隣接する旧館は古き良きレトロ感の漂うカフェやギャラリーになっており、撮影スポットにもなっています。
温泉津温泉街は、幹線道路の国道9号線から日本海側の海岸に向けて降りていくような地形になっています。
海岸から谷状に温泉街が広がっているのですが、道幅が狭いうえ、駐車場も限られた面積を共用している感じなので、たどり着いてから駐車場に止めるまでがひと苦労でした。
この地理的な雰囲気や不便さも「山間の秘湯感」にはプラスに働いているのかと思います。
温泉津温泉にはいくつか旅館もあるのですが、日帰り入浴だと「薬師湯」と「元湯」(湯治の湯 泉薬湯)の二つをすすめられました。
元湯のほうは、通も唸らせる名湯のようで、お湯の温度がかなり高いというという情報を得たので、今回は初心者向けの薬師湯をチョイス。
薬師湯の建物は、大正レトロというか、古き良き洋館といったイメージの建物で温かみのある趣がとても心地よいです。
温泉津温泉のお湯は、日本温泉協会公認といわれる天然温泉で、この建物の直下から湧き出しているというものです。
しかも無加温・無添加というわりに、結構なお湯の量が出ていました。
また、浴槽のまわりに堆積した「湯の花」はかなりのもので、温泉成分が豊富に含まれているお湯が出ている証拠です。
これは効能に期待が持てそうです。お湯は「湯の花」の見た目とはうらはらに、ヌルヌルといった感じではなく、さらっとしたお湯あたりでした。
湯上りにはコーヒーのサービスもあり、薬師湯の屋上に上がっていただきました。
屋上からの景観は大変味わいがあり、この地域特有の町並みの雰囲気や石見銀山に関連した歴史観を醸し出し、特に夜になり明かりがともると幻想的な光景となり「お客様には好評を得ている」とのこと。
今回は、ちょうどタイミングもよく、薄暮時の温泉街に明かりの灯る風景を楽しむことができました。