総領町のセツブンソウについて
広島県の山間の里「総領町」に春の訪れを告げる山野草「セツブンソウ」の群生地があります。
セツブンソウとは、旧暦の新年にあたる節分の頃に咲く花で、庄原市の天然記念物に指定されているほか、広島県、環境省ともにレッドデータブックにて「純絶滅危惧種」に指定されている貴重植物です。
ちょうど春もうららかな日和に一斉に開いている花からは、甘い香りに加え、柑橘系のさわやかで甘酸っぱい感じであることから「初恋の香り」とも言われているそうです。
総領町のセツブンソウ
地面からわずか数センチと小さな草姿をしており、花を咲かせるまで4年の年月がかかります。その小ささから、草に覆われては育つことができず、草刈りなどの農作業で人の手の入る里山に多く自生していたそうです。総領町は狭い谷間に人家、果樹園、お墓などが多く、農業のためでなく、人々の生活のため草刈りが行われたことから、セツブンソウなどの山野草を多く残し保護することができたということです。
セツブンソウの見ごろ時期と群生地の場所
所在地 | 広島県庄原市総領町下領家1-3 道の駅リストアステーション周辺 |
見ごろ時期 | 毎年2月下旬から3月上旬 自生地公開は期間限定 2023年は2/18~3/5 |
道の駅で情報を入手しよう
セツブンソウ見物の情報発信地となるのが道の駅「リストアステーション」です。日時によっては地元の保護活動されている方から説明を聞いたりすることもできます。また、パンフレットも配布されていますので、ぜひ手に入れておきましょう。セツブンソウは一か所ではなく、町内のいくつかの場所に自生しているので散策の際マップが必要となります。
散策のマップ、この地図を頼りに散策することになりますので、必ず入手しておきましょう。
公開される自生地は全部で6つ
公開地は道の駅を中心として2キロの範囲に点在しています。もし道の駅から近い公開地を見学したいなら、道の駅の南西側にある自生地です。まだ6つすべての公開地を周ることができでいませんが、そのうちのいくつかの写真を載せてみます。
フクジュソウ公開地②
こちらは日陰にあるのかつぼみもまだたくさんありました。
じつは道の駅から最短距離にある公開地②では「フクジュソウ」が目を引きます。鮮やかな黄色の素敵な花です。
マクロ撮影(EF-50mm compact macro 1/125sec,F2.5,ISO100)
フクジュソウ公開地⑤
⑤の公開地は神社の裏山にあります。マップを片手に「八幡神社」まで約1kmほど歩きます。経路は国道を通らず、道の駅から続く川沿いの道を歩いたほうが、楽しめると思います。
目指すはこの立派な門構えの神社です。
神社を入って右手奥に進みますと公開地⑤の案内が見えてきます。
⑤の公開地は南側斜面に群生しており、日当たりがよいためか毎年いち早く開花するようです。
密生しているところは白いじゅうたんのようにも見えます。
フクジュソウの横顔、キュートなお顔ですね。
フクジュソウ公開地④
今年の見学は暖かい日が続いたためか、先の⑤の公開地はピークは過ぎているということでした。今は④と⑥がピークとのこと、そして訪れたのが④の公開地です。川沿いにあり、民家の庭先から奥の山の斜面に出ます。
こちらは日陰となるので若干遅めの開花だそうです。日陰に咲くセツブンソウもしっとりとした感じがあっていいですね。
ここの群生の密生度はすごかったです。
さらに、斜面の上部では「セリバオウレン」も見ることができます。繊細な花をつけるオウレンの一種です。
春の訪れを感じるセツブンソウの見物、皆さんもぜひ出かけてみてくださいね。