広島県北広島町にある「吉川元春館跡」は、毛利元就の次男である吉川元春が1583年ころ隠居のために建てた館跡です。館跡とその周辺は発掘調査され、きれいに保存、整備されています。
中でも目を引くのが立派な石垣。その高さ約3メートルにわたり巨石が積み上げられ、しかも幅80メートルにわたりそれが続きます。どうやって運び出したのかと思うような巨石が積み重ねられているその光景は驚くばかり。
また、石垣の内側には発掘された館跡の基礎石が並び、復元された中世の台所や庭園が広がります。屋敷の奥の森には吉川元春、元長の墓所が建立されているほか、「戦国の庭歴史館」という施設内には詳細な資料や貴重な出土品が展示されています。
どうやってこんなに大きな石を運んだのだろうかと周囲を歩いていると見つかったこの看板。どうやら石切り場があり、そこから石を切り出していたようです。
しかし、80メートルも続く石垣を完成させるには気の遠くなるような作業が続いたことでしょう。
石垣の真ん中に設けられた門をはいると内側は広大な敷地が広がります。かつては立派な館が建てられていたのでしょう、所々に柱の基礎石が発掘されています。
台所(復元)は唯一の復元された建造物です。発掘調査で見つかった囲炉裏やかまど跡から台所跡であることがわかり、柱や屋根材をもとに同時の姿を再現されたそうです。
興味があれば、館跡のそばにある「戦国の庭歴史館」でさらなる資料や出土品などを見学してみるのもよいでしょう。