山口県の上関町、古くは海上交通の要衝として栄え、江戸時代には朝鮮通信使が訪れたりと、歴史的にも多くの名所、文化財が残されています。
周囲を瀬戸内の穏やかに囲まれた景観も美しく、展望台からの眺めは格別です。
広島からは片道1時間台、意外と近い「癒し系観光地」に行ってまいりましたので、簡単な名所の紹介をしてみようと思います。
四階楼ー明治維新のモダンな和洋建築を見学しよう


四階楼(しかいろう)は明治12年、明治維新の志士、小方謙九郎が建築した洋風建築を模した木造4階建ての建物です。
古来より、海上交通の拠点として国際交流も盛んだった上関を象徴する建物でもあり、当時でいう「ハイカラ」という言葉がぴったりのしゃれた建物になっています。
場所的にも上関の中心地に位置し、多くの観光客が訪れる道の駅の向かいにありますのでぜひ見学してみましょう。
ちなみに、この四階楼、平成3年まで「四海荘」という旅館として使われていたというから驚きです。




四階楼で一番目を引くのが何といっても4階のステンドグラスの部屋です。ステンドグラスはフランス製と言われ、赤青緑白の色が織りなす空間はなかなかのものです。
その他、巨大な雲竜や唐獅子牡丹の「漆喰小手細工」など、見事な壁画も見逃せません。
上関城山歴史公園で美しい海をながめながらランチを計画




四階楼のある上関の中心地から「上関大橋」を渡ると、村上水軍とゆかりのある「上関城山歴史公園」があります。ここは春は桜の名所として大変にぎわいます。




かつて、瀬戸内海の海上の要衝として「関」を見張るうえで最適な立地に築城された城跡だけに、周囲を見渡す海の美しさは格別です。
せっかくなので海を眺めながら、道の駅で買った上関名物の「てんぷら」と地元のタコをふんだんに使ったタコ飯でお昼をいただくことにしました。
てんぷらとは、魚のすり身を揚げた、さつま揚げのようなものです。お土産で配ると喜ばれるとか。
険しい山中に造られた石積みの上のお堂は秘境感抜群




さて、今度は上関から360度のパノラマが楽しめるという「上盛山展望台」を目指します。
とその前に、上盛山の中腹にある御汗観音というお堂に尋ねてみました。このお堂は、まつられている観音像の胸あたりが濡れているように見えるので「御汗観音」という名前がついているそうです。
展望台を目指す険しい山道を通ってたどり着くような場所なので、霊験あらたかというか、秘境感あふれるところでした。
360度のパノラマを堪能ー上盛山展望台




やっぱり360度ぐるっとみわたせる展望台はいいものです。素晴らしい景色を見ることができました。
遠く九州の国東半島や四国もみえるそうです。上関と言えば祝島も観光地として魅力的なのですが、島への交通手段が船しかないのが残念なところ、2枚目の写真でいうと右端にかすんで見えるのが祝島です。こうしてみると結構距離がありますね。
祝島には三世代にわたり築き上げられた「平さんの棚田」という名所が有名で、テレビでも紹介されることもあります。その石垣は高さ9メートルにもおよび、城壁とも思えるほどの規模なんだそうです。
幕末維新の名士「吉田松陰の詩碑」


こちらは上関大橋のたもとにある「吉田松陰詩碑」です。吉田松陰は山口の萩で松下村塾を開き、幕末維新の名士を育てたことで有名です。
松陰はなかなか型破りなところがあり、外国の国情を知るのが重要だとして、1853年にロシア船が長崎へ入港した際、その船に乗り込もう(密航)として長崎に向かいます、道中泊ったのが上関だっということですが、ここにはその時に詠んだといわれる詩文の碑が安置されています。
ここの露天風呂は絶対おすすめー上関温泉鳩子の湯



上関観光のプランの最後には「上関温泉 鳩子の湯」に立ち寄ることとしました。最近になってできた温泉で、設備もまだ新しく快適に過ごせました。
何が一番良かったかというと、間近に上関海峡を見ながら入る露天風呂です。船が行きかうその眺めは穏やかに旅の疲れを癒してくれます。




最後にお土産をいくつか・・・ステンドグラスが美しかった四階楼をイメージしたお菓子と道の駅で購入したお米と地元野菜。
他にも新鮮な魚や刺身も販売されていましたが、さすがに持ち帰るのには難があるのでそれは諦めました。
以上、上関の観光レポート、穏やかな海と美しい景色の癒し系観光地のご紹介でした。