国の重要文化財-入船山記念館-
入船山公園は、広島県呉市にある公園で、日本の歴史公園100選にも選定されています。
公園内にある一番の見どころは、明治22年に設置された「呉鎮守府司令長官官舎」で、現在は国の重要文化財に指定され、入船山記念館として一般公開されています。
入船山記念館 | 広島県呉市幸町4番6号 |
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開館時間 | 9:00 〜 17:00(最終16:30まで) |
休館日 | 毎週火曜日(ただし祝日・休日の場合はその翌日)および年末年始(12月29日〜1月3日) |
観覧料 | 一般250円 高校生150円 小・中学生100円 |
2019年7月現在
見学の所要時間は?
今回は、入船山記念館と歴史民俗資料館、郷土館、旧火薬庫等見学しましたが、所要時間は約1時間程度でした。
交通アクセスと駐車場の情報
入船山記念館へは、JR呉駅・大和ミュージアムいずれからも約1Kmほどです。
大和ミュージアムからは徒歩圏内で約15分かかります。
車でのアクセス
自家用車なら入船山公園に隣接する「入船山公園駐車場」の利用が便利です。
入船山公園駐車場 | 呉市幸町11番地の1 |
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台数 | 122台 |
営業日 | 24時間 無休 |
料金 | 60分100円 |
2019年7月現在
バス利用なら
もし、呉観光でいくつかの名所を回るのならば、バスを利用する方法もあります。
アレイからすこじま、歴史の見える丘、音戸の瀬戸公園などを経由する、1Day呉パス(バスの一日乗車券)が便利です。
特典として1Day呉パスは、大和ミュージアム・入船山記念館・呉市立美術館の観覧料も割引してもらえます。
(2019年7月現在)
1Day呉パス
料金 | 大人 500円 小学生以下 250円 |
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販売場所 | くれ観光情報プラザ,大和ミュージアム,呉阪急ホテル, 広島電鉄(宝町営業センター,広営業センター等) |
詳しくは次のリンクからどうぞ(PDFファイル)
入船山記念館見学の様子
ここからは、写真を交えて、公園内を紹介していきます。
公園の南側には呉市美術館がありますが、そこから緩やかな坂を上り、今回は、北側にある「火薬庫」「郷土館」そして「入船山記念館」を見学していこうと思います。
最初に見えてくる石造りの重厚な建物、これはなに?
この石造りの建物は呉軍港の防衛を目的とし明治32年から3年をかけ建てられたもののひとつで、火薬庫として使用されていました。
文化庁指定の登録有形文化財に指定されています。
この火薬庫は、昭和42年に警固屋高烏砲台跡から移築されたものです。
(音戸の瀬戸公園内にその遺構をみることができます)
建物内には、呉市の観光PR動画や案内のビラなど、観光情報が置いてあります。
実物の高角砲の展示、やっぱりデカイ!
火薬庫の隣には、砲火工場の跡地で見つかった高角砲の砲身が展示されています。
この砲身は、昭和18年から19年の2年間にわたり生産された実物です。
ここで入館チケットを買いますが、建物2階も見ておこう
こちらは入船山記念館の券売所にもなっている郷土館です。
この建物の2階には、これから見学する旧呉鎮守府長官官舎(入船山記念館)にまつわる資料が展示してあります。
どういった人物が呉鎮守府長官としてこの地にかかわってきたのか、歴代の長官の紹介などもあり、記念館の見学の予備知識としてぜひとも見ておきたい所です。
写真で見るより大きく立派だった入船山記念館
いよいよ旧呉鎮守府長官官舎(入船山記念館)の見学です。
写真で見るよりもずっと大きく、和洋折衷の立派な屋敷といった感じです。
建物をパット見た感じ、正面のドアから入りそうになりますが、見学者は建物の右奥に回り込んだところにある入り口から入館します。
玄関のドアーは美しいステンドグラスで装飾されています。
このステンドグラスはイギリスから輸入したものだそうです。
これはステンドグラスを内側から見たところ。
透明のガラスにも細部にまで装飾が施されています。
建物内は和洋折衷といった感じです。
入口すぐは侍者の使用した部屋などがあります。
和室の広間も格調高い!
洋館を豪華にあしらう金唐紙とは?
入船山記念館の洋館内は「金唐紙」という高級な壁紙が随所に使われています。
金唐紙とは、和紙に金箔などを貼り付け、版木にあてて凹凸の模様をあしらったもので、現在日本でも復元品あわせて8か所の建物に使われるにとどまり、そのほとんどが国指定の重要文化財という貴重なものです。
記念館の隣にある「呉市民俗資料館」でも詳しく紹介されていますが、金唐紙の由来は17世紀に始まり、明治5年東京で製造されるようになったといいます。
そして明治6年にはヨーロッパに紹介されバッキンガム宮殿の装飾に使われるまでになったというものです。
まるでタイムスリップしたようなレトロな空間がたまらないぞ
こちらは建物内の洋館部分の写真です。
ご覧のとおり室内は先ほどの金唐紙がふんだんに使われ、とても重厚で荘厳な雰囲気です。
この部屋で当時の要人のおもてなしをしたというわけですね。
クラシカルなソファのある応接室。
高い天井いっぱいに取り付けられた窓が豪華です。
当時のヨーロッパ製の椅子などもあり、置かれている調度品も素晴らしいもでした。
こちらは戦艦大和の模型。
金唐紙が紹介されている呉市民俗資料館
入船山記念館すぐそばには「呉市民俗資料館」があります。
この資料館では、重要文化財の金唐紙のことについて紹介されています。
金唐紙の歴史は17世紀にはじまり、明治初期に東京で製造されるようになりました。
金唐紙にまつわる資料やサンプルの展示・・
この写真はなんだかわかりますか?
これは金唐紙の原板でこれに和紙をブラシでたたきつけ金唐紙特有の凹凸を出していくのだそうです。
帰り道、見落としがちだが見ておきたい構造物
この白い建物は番兵塔といい、警備のための建造物です。
基礎石は昼夜問わず番兵が建っていたため、足の部分がすり減っているそうです。
この時計台は、旧呉海軍工廠塔時計で、大正10年から昭和20年の終戦まで軍需工場の屋上に設置されていたものです。
昭和46年にこの地に移築され昭和56年に修復・復元作業がおこなわれ再び時を刻みだしました。現在も動いているんです。
この建物は、登録有形文化財指定の「旧東郷家住宅離れ」で現在は休憩所として開放されています。
東郷といえば、世界三大提督のひとり、東郷平八郎のことで、海軍大佐の時、明治23年から翌年にかけ呉鎮守府第2代参謀長として在任中過ごした居宅の離れがこの建物です。
空家となって荒廃していたところ、昭和55年、市によってこの地に移築されました。
入船山公園は呉にまつわる文化財がたくさん保存されており、なによりも入船山記念館のレトロでクラシカルな雰囲気は一見の価値があると思います。
大和ミュージアムを含めた呉観光にぜひ加えてみてくださいね。
呉観光プラン
だいたい一日かけて呉を回るコースです。観光の際に参考にしてみてくださいね。