もくじ
「木部谷間歇泉」は島根県の西部、柿木村に位置し、約20分周期で、天然の炭酸ガスの圧力で湯を周期的に噴出するという国内でも非常に珍しい「間歇泉」です。
噴き出る湯は、毎分400リットルもあり、空気に触れると次第に茶褐色に変色します、もちろん含有成分も豊富で、源泉のふもとには、噴出した泉水を用いた湯が自慢の温泉旅館も併設されています。
茶褐色のお湯からも想像できるよう、温泉としての効能も高く、神経痛、リウマチ、関節痛、筋肉痛と様々な症状に効果があるとされています。
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温泉旅館の先にあるという間歇泉を目指します
間欠泉の源泉のあるふもとに、温泉旅館「松の湯」があり、向かって左手に山道へと続く小道があります。
この先に間歇泉のある温泉の源泉があります。
木部谷は古くから温泉地として使われてきたんだって
道の途中に古い鉄風呂が展示されていました。
この鉄風呂は、昭和21年から昭和45年まで実際に使われていたものだそうです。
木部谷では古くから裏山の湧水を温泉として利用していましたが、1970年に深さ80メートルまでボーリングしたところ間歇泉が出現したということです。
茶褐色の泉水が印象的な木部谷の源泉地
源泉にやってきました。茶褐色の池が広がり、さらに一段上に、間歇泉の吹き出し口かとおもわれる場所があります。
水が茶褐色なのは、鉄分が多く含まれているからだそうです。
この水、端のほうは幕が張ったようになっていました。
間歇泉は、その名の通り、一定時間を空けて水が噴き出してくるのですが、ここはその周期が約20分となっています。
待っている間は、周囲の木々に鳥のさえずりが響き渡り森の中にいるような雰囲気の場所でした。
間歇泉の噴出をのんびりと待つこと20分
待つこと約20分、源泉のまわりから、気のせいかボコボコ音がしてきたかと思うと、泉水が吹き出してきました。
一気に噴き出してくるのかと思っていたのですが、少しずつ噴き出す水の高さが上がってくるといった様子でした。
5分間続く間歇泉は少なくても1000リットルもの泉水を噴き出すという計算になるのでしょうか。これだけの湯量があれば、ふもとの温泉はもちろん源泉かけ流しというわけですね。
(噴出する泉水の温度は20度前後のため、入浴客が適時ボイラーのバルブを開け加温します。泉水は蛇口をひねればいくらでも出てきました。)
間欠泉を見学した後は、温泉につかってのんびりと
温泉設備のある旅館「松の湯」はアットホームなとても雰囲気のよい旅館です。
そのためリピーターの方が大変多く、特にお食事には力を入れられており、地元の食材をふんだんに使った郷土料理が楽しめます。このお食事を楽しみに訪れる方も多いのだとか。
もちろん日帰り入浴もでき、間歇泉から湧き出したあの茶褐色のお湯を存分に楽しめます。
お湯は見た感じどろっぽいですが、意外とさらさらしています。
香りは、鉄分が多く含まれているせいか、鉄のさびたようなにおいというか、鉱泉独特の効き目のありそうな湯です。
また、この温泉の加温方法は珍しく、ボイラーの蒸気を直接湯船内の湯にあてているのだそうです。理由はこのお湯をボイラーに通し沸かすと温泉の成分で部品がすぐにダメになってしまうからということです。
一般的な温泉とはひと味違っためずらしい温泉「松の湯」もあわせて「木部谷間歇泉」のご紹介でした。
木部谷温泉 松乃湯 | 島根県鹿足郡吉賀町柿木村木部谷529 |
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営業時間 | 7:30~19:30 |
休業日 | 毎月6日・16日・26日 |
入浴料 | 1回400円/半日650円 |
木部谷温泉もう一つの日帰り温泉「はとの湯荘」
木部谷温泉としては、松の湯から少し離れた場所に「はとの湯荘」という温泉施設もあり、こちらはいわゆる「日帰り温泉」に近いような雰囲気の温泉です。
はとの湯荘 | 島根県鹿足郡吉賀町柿木村柿木81 |
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営業時間 | 11時~20時 |
定休日 | 毎週水曜日(※季節や年末年始などにより変動あり。 |
入浴料 | 大人:500円 小人:200円 |
柿木温泉から車でおよそ15分のところには「日本の棚田100選」にも選定された大井谷棚田があります。
600年前に開墾されたという棚田の名所ですので、こちらもあわせて訪ねてみてくださいね!